その会議室には大きな絵がある



日本のような
日本ではないような
小さな船着場の寂しいような様子
波の無い海と
誰もいない様子
おそらくこの絵の作者しかいないのではないだろうか

船はおそらく
小さな波に揺らされて
船着場のヘリにゴツゴつと
ぶつかりながら
漂っているに違いない


僕はここで待たされるとき
コーヒーを飲みながらこの絵を観るのが大好きで
「待たせたね」とクライアントがあまり早く来ない
ほうが嬉しいのである。