起業してから9年目のベンチャー企業にいる。
やめていく若手がいる。「ここにいては、ひとつのことしかできないSEになってしまいそうで」
入社してくるSEがいる。「SIerでは、いろいろやらされすぎて専門業種の知識が身につかない。極められない!」
不満をいう人がいる。「この会社は基本的なビジネスの流れができていない!」外の人がいう。「型にはまった業務の流れなんですよ、うちの会社は」隣の芝生は、どこにいっても存在してしまう。

起業時のベンチャーに必要な社員は、開拓型。荒地に桑を入れて、水を引き苗を植える。確立した大手企業に必要な社員は機関車型。レールの上を運行ルールに沿って、時に速く、時にゆっくり、駅にとまりながら自走する人。9年目のベンチャーに必要な人はどんな人だろう。
成長路線に乗るためには、いつまでも荒地にいてはいけない。また耕した場所に安住してもいけない。少しはレールも敷いて急行列車のように突っ走りたい。
なかなかそうなれない今、まるで目の前に河があるようだ。

そう。今必要な人材は。今必要な行動は、橋だ。橋となって、荒地から線路のある向こう岸へ渡っていく橋だ。橋をかける人だ。

どこにいっても隣の芝生があるのなら、橋になろう。