2008年、それまで27年間勤務した東証一部上場SIベンダーを退職。株式会社ODR Room Networkを起業した。
思えばこの十年。上場に関わる目玉の事業に関わり、イスラエルに行き、アパートに寝泊まりし、そこで発掘した製品の日本市場拡販に奔走し、最後にはその企業との訴訟に関わった。訴訟が決着したところで、奇しくも、イスラエルのベンチャーと共に立ち上げようとしていた分野の日本のベンチャーがM&Aされ、その企業の役員として経営に関わったものの、思ったように立て直せず親会社への事業譲渡のあと、清算人を努めた。
この間約10年強。年齢も不惑の40代。なるべくして今ここにいると信じたい。ここに至るまでの、株式会社ODR Room Networkに繋がる節目となったと思われる出来事を記してみよう。
1.イスラエルの訴訟
(1)蜜月
1996年に契約締結した企業とは、最初の2年間は蜜月であった。5年間に渡る数億の契約。それだけの額を支払うということは、当然それ以上のビジネスがあるという計画。先進的な製品だったため、最初から大手ゲームメーカーや出版社、新聞社などの商談が始まり、次々と契約が決まっていった。
(2)不穏
3年目に大掛かりな機能追加が予定されていたが、2度の延期。同時に既存のバージョンの問題の改修が遅れ始めた。何度かの確認のための訪イスラエル。やがて、契約上の年度費用支払い時期が来たものの、当該製品がリリースされず、支払いの一時停止を決定。契約の見直しが行われ、再出発となる。
(3)限界
しかし、見直しによって再設定された時期になっても、商品とできる当該製品はリリースされず。ついに、イスラエルベンチャーは仲裁を申請した。当方もカウンター訴訟を提訴。全面対決となる。
(4)尋問
2年間の書類による応酬を経て、係争地イスラエルで証人喚問。次々の明確になる驚愕の事実。お金につられて偽証する元社員。しかし、最後には別の元社員による決定的な事実の暴露により、当方の勝訴。
(5)恐怖
イスラエルというそもそものお国柄。テロの痕跡が訪問の度に垣間見える。保険金は戦争特約による高額な掛金。一方、イスラエルの弁護士曰く「君は重要な証人だから、暗殺される恐れがある。ホテルから出てはいけない。」あわわわ・・・
国際間の訴訟において、どこが係争地になるにしても、どちらかがあるいは両者が移動するコスト、時間コスト、さらには重要人物の移動に伴うリスク、暗殺は大げさにしても、事故に巻き込まれるリスクを考えると、ODRの必要性は非常に高い筈だ。文書の交換は、リアルタイムである必要性はないが、弁護士による証人喚問は録画ビデオではありえない。ブロードバンド回線がここまで発達し普及した現在、リアルタイムなTV会議による証人への詰問は十分有効な手段となりうるだろう。(と、思っているのだが・・・・)
思えばこの十年。上場に関わる目玉の事業に関わり、イスラエルに行き、アパートに寝泊まりし、そこで発掘した製品の日本市場拡販に奔走し、最後にはその企業との訴訟に関わった。訴訟が決着したところで、奇しくも、イスラエルのベンチャーと共に立ち上げようとしていた分野の日本のベンチャーがM&Aされ、その企業の役員として経営に関わったものの、思ったように立て直せず親会社への事業譲渡のあと、清算人を努めた。
この間約10年強。年齢も不惑の40代。なるべくして今ここにいると信じたい。ここに至るまでの、株式会社ODR Room Networkに繋がる節目となったと思われる出来事を記してみよう。
1.イスラエルの訴訟
(1)蜜月
1996年に契約締結した企業とは、最初の2年間は蜜月であった。5年間に渡る数億の契約。それだけの額を支払うということは、当然それ以上のビジネスがあるという計画。先進的な製品だったため、最初から大手ゲームメーカーや出版社、新聞社などの商談が始まり、次々と契約が決まっていった。
(2)不穏
3年目に大掛かりな機能追加が予定されていたが、2度の延期。同時に既存のバージョンの問題の改修が遅れ始めた。何度かの確認のための訪イスラエル。やがて、契約上の年度費用支払い時期が来たものの、当該製品がリリースされず、支払いの一時停止を決定。契約の見直しが行われ、再出発となる。
(3)限界
しかし、見直しによって再設定された時期になっても、商品とできる当該製品はリリースされず。ついに、イスラエルベンチャーは仲裁を申請した。当方もカウンター訴訟を提訴。全面対決となる。
(4)尋問
2年間の書類による応酬を経て、係争地イスラエルで証人喚問。次々の明確になる驚愕の事実。お金につられて偽証する元社員。しかし、最後には別の元社員による決定的な事実の暴露により、当方の勝訴。
(5)恐怖
イスラエルというそもそものお国柄。テロの痕跡が訪問の度に垣間見える。保険金は戦争特約による高額な掛金。一方、イスラエルの弁護士曰く「君は重要な証人だから、暗殺される恐れがある。ホテルから出てはいけない。」あわわわ・・・
国際間の訴訟において、どこが係争地になるにしても、どちらかがあるいは両者が移動するコスト、時間コスト、さらには重要人物の移動に伴うリスク、暗殺は大げさにしても、事故に巻き込まれるリスクを考えると、ODRの必要性は非常に高い筈だ。文書の交換は、リアルタイムである必要性はないが、弁護士による証人喚問は録画ビデオではありえない。ブロードバンド回線がここまで発達し普及した現在、リアルタイムなTV会議による証人への詰問は十分有効な手段となりうるだろう。(と、思っているのだが・・・・)
Comment
コメントする